擁壁(ようへき)~基本知識とトラブル

土地・住宅購入において気をつけたいポイントのひとつが「擁壁」。ここでは、擁壁の基本的な説明とよくあるトラブルについてご紹介します。


擁壁(ようへき)とは?

擁壁は、大きな高低差を地面に設ける際に、その崖となる土の側面が崩れ落ちるのを防ぐために設計・構築される壁状の建造物のことをいい、土留(どどめ)ともいわれています。
簡素なつくりのものを「土留」、RC造などのより強固なつくりのものを「擁壁」と呼び分ける場合もありますが、意味としては「擁壁」は「土留」の一種ということになります。
この擁壁、実は住宅地でのトラブルとなる場合もあるのをご存知でしょうか。 例えば、住宅街が丘や坂道になっていて、隣の住宅と大きな高低差がある場合、土地と土地との境界にこの擁壁が設けられている場合があります。
土の荷重、雨水の水圧、さらに建物の荷重も加わるとなれば、じゅうぶんな強度のある擁壁でないと、不同沈下や倒壊の危険性も生じます。
さてこの擁壁は、自分の家と擁壁を挟んだお隣の家と、どちらの物なのか?土地と土地との境界はどこなのか?建て替える際の費用の負担は?万一事故が起きたときの責任は?少し考えただけでもトラブルの種がたくさん存在しそうですよね。


擁壁の種類

では、擁壁には実際どのようなものがあるのでしょうか。

(1)RC造擁壁(コンクリート擁壁)

RC造擁壁は、無筋コンクリート擁壁と鉄筋コンクリート擁壁とに大きく分けられます。逆T形、L形、逆L形、重量式、もたれ式など、立地条件に合わせてさまざまな構造で設置されます。水抜き穴の設置が必須です。


(2)間知ブロック擁壁

間知ブロック擁壁は、ブロックを使って設置される擁壁です。住宅地などの高低差の大きい場所に設けられ、現行基準を満たしていれば高さ5mくらいまでの擁壁を設置することができます。こちらも、水抜き穴の設置が必須です。


(3)大谷石(おおやいし)積み擁壁

大谷石で作られた擁壁のことで、1950~60年代に多く作られています。風化や劣化が激しく、現行基準を満たしていないため、建て替えなどの対策が必要とされます。


(4)空石積み擁壁

空石積み擁壁は、石やコンクリートブロックを積み上げただけの簡素な擁壁で、造園用など高低差の少ないところで設置されたりします。現行基準を満たしておらず、1.5m以上の高いものは強度が弱く危険なため、対策を講じる必要があります。


(5)二段擁壁

二段擁壁は、既存の擁壁上にコンクリートブロックやコンクリートなどが設置されている擁壁のことです。宅地造成等規制法上は違法となり、対策を講じる必要があります。


このようにさまざまな種類がある擁壁ですが、上記(3)~(5)の「不適格擁壁」というものに注意しなければなりません。
不適格擁壁とは、建築基準法の施行前に建築され、何らかの事情で確認申請が出されていないものや、検査済証などの証明する書類が無いもののことをいいます。つまり、現在の建築基準法に適合していない擁壁ということです。
もし、自分が購入しようとした物件にこの不適格擁壁が含まれていた場合、擁壁工事の費用まで負担しなければならなくなってしまうかもしれないのです。


擁壁にひそむトラブルの種

他にも擁壁について注意しなければならないのは、お隣さんとの境界の問題です。

例えば、図のような宅地がある場合、境界はA・B・Cいずれもありえます。もしこの擁壁が不適格だった場合、Aの場合は下側が家を建て替える際、Bの場合は上側が家を建て替える際にトラブルが発生する可能性があります。
Cの場合は現在最もトラブルが発生しやすく、擁壁自体は下側の所有ではあるものの、上側の土が原因で崩落の危険性があるということになるので、その責任や工事費用負担の割合をどうするかなど、もめる原因になりやすいのです。
これは、あくまで一般的な例ですが、これだけでも擁壁と境界のトラブルがいかに面倒であるか、ご想像いただけるでしょう。

また、「擁壁はうちではなくお隣さんの所有だから、例えトラブルが起きても知らん顔できるでしょ」と思った方、本当にそうでしょうか?
例えば、擁壁自体がお隣さんの敷地内におさまっていても、地中に埋もれている擁壁の基礎が自分の敷地内に越境しているケースもあります。その場合、自分側で家を建て替える際に基礎の部分に何らかの制約が生じてしまう可能性があります。

また、擁壁の建て替え工事には数百~一千万円という多額の費用がかかってしまいます。その費用を擁壁の持ち主であるお隣さんが負担できないとしたら、自分達はいつ崩れてもおかしくない不適格擁壁の危険と不安を抱えながら過ごさなくてはならなくなってしまうかもしれません。


擁壁をめぐるトラブル、回避法

何よりも、新たに物件を購入する際に擁壁についてチェックしておくことが一番のトラブル回避方法です。
まず、擁壁の有無について確認しましょう。どうしても擁壁のある物件を購入したいなら、擁壁の適合・不適合を事前に確認しておくこと、隣家との境界を確認しておくこと、この2点については不可欠です。

擁壁の適合・不適合については、検査済証が交付されているかどうかを調べて下さい。不動産屋に聞けばOKです。この時、不動産屋が「大丈夫です。」などと口頭で伝えるのみで書類を確認してくれない場合は要注意。きちんと書類を出してもらうよう交渉しましょう。役所などで調べてもらうことも可能です。
そして境界については、図面や測量図を持って必ず現地へ行き、境界杭を確認しましょう。

また、意外と落とし穴になりがちなのが、擁壁が2m以下の場合。
2m以下の場合は確認申請や検査をする義務がありませんので、万が一きちんと構造計算されていない強度不足のものだった場合、公的な判断基準がありません。調査も、より難しくなります。


それでもトラブルに巻き込まれたら

 

擁壁をめぐるトラブルについては千差万別ですので、一概に「これが解決方法です」といえることはありません。

もし、擁壁のある土地に新たに家を建てるのなら、できる限り建築家に土地を見てもらい、設計・監理してもらうことが第一です。そういった物件の実績がある不動産屋・ハウスメーカー・建築家を根気強く探してみるしかありません。
また、既に自分が所有している土地に不適格擁壁がある場合は、まず事実確認をすること。隣家との境界、擁壁を建設した当時の詳しいいきさつ、工事に要する費用などを明らかにしたうえでお隣さんとの協議が必要な場合はしっかりと取り決めをしておくことが重要です。もめるようでしたら、弁護士など法律の専門家に依頼することが必要になるかもしれません。


後悔しない土地選びを

新たに土地や住宅を購入する場合、つい良いところばかりに注目してしまい、こうしたトラブルの種を見落としてしまうことも...。
購入した土地に擁壁トラブルが発覚した際、「初めに知っていればこの土地は購入しなかったのに...」「不動産屋に騙された!」などと後悔する人が実際多くいます。
まずは最低限の知識を身につけておくことが、自己防衛の第一歩といえるでしょう。

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